Finger Braille Piano

私は2020年の2月から目と耳両方に障害を持つ「盲ろう者」の通訳介助の仕事をしている。簡単に言うと盲ろう者に周りの状況を説明したり、相手の発言を通訳する仕事である。盲ろう者とのコミュニケーション方法は色々あるが、私は「指点字」という方法を習得した。「指点字」は接触によるコミュニケーション方法のため端から見て何をしているのかわかりにくく外界から閉じやすいという性質がある。そんな「指点字」を「空中に飛ばす」、つまり指点字を知らない人にも届く形に変換する装置として《Finger Braille Piano》というトイピアノ型の装置を学部の卒業制作作品として制作した。しかし新型コロナウイルス感染拡大防止のため卒業制作展の展示場所である東京都美術館内では観客が実際装置に触ることは禁止された。私は観客に指点字と出会う体験を装置を触ることでして欲しい。そのためにもまずは装置のパーツを作り直すなどして補強し、不特定多数の人が触っても壊れないよう改善したいと考えた。《Finger Braille Piano》を不特定多数の方が触っても大丈夫な形にすることで様々なイベントや展示に参加できるようにし、試奏できる機会を多く作りたい。

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