[ 映像の公開配信、ブログの公開 ]

なつかしい は うれしい

大村直子

2021年11月1日~2022年3月31日

展示:アトラス展(取手校舎 2021年10月)
映像:https://youtu.be/Uth0GAV6HBQ
ブログ:https://note.com/natsukashii

なつかしい は うれしい。
私は今、サービス付き高齢者向け住宅に滞在しています。滞在当初、私は高齢者の皆様お一人おひとりの人格や生き様を見ずにいたように思います。しかし、個人として出会うことを心がけていくうちに、個性や経験値の高さも垣間見えてきました。高齢になると、生活速度が緩やかになるためか、若年層の日常生活と切り離されやすいように見えます。また、ご自身の交友経験の積み重ねがあり、苦手な人とそうでない人との感覚的な区分ができあがっていて、無理に交友関係を広げようとしなくなり、その結果、引きこもりがちになり、日常会話が減少し、脳の活動をより緩慢にしてしまうようにも見えます。現代の様々なテクノロジーを応用し、高齢者のために使用したら、どのような成果が表れるのか、居住者の皆様に体験を促し(回想法)、観察し、短い映像にまとめました。
2ヶ月にわたり、週に一度程度、1回1時間ほどずつ対話を続けました。映像の中の主人公の女性に、最初、ダイビングの映像を御覧いただくと、水中ですから、「私は泳げません、あの世に行って浮くだけ」と怖がってしまいました。それが、翌週、渋谷の映像を御覧いただくと、もう慣れて、ウキウキした気持ちになって頂けたようでした。対話の中に出てくる言葉を頼りに、20代前後の頃に通学した学校、故郷、御家族、旅行先、お仕事など、質問をしてゆくと、その時には思い出せなくても、次には思い出してお話下さったり、そうかと思うと、また次の時には思い出せなくなっていたり、浮き沈みする記憶の中の世界を一緒に体験していました。

そしてわかったこと、イマココでないイツカドコカ、「なつかしい」は「うれしい」ということです。

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