[ ワークショップ ]

「子ども病院で実践する療育ARTS 」

丸山素直
東京藝術大学デザイン科学生・卒業生

2021年11月予定

長野県立子ども病院 2病棟

近年、医療の発達で、昔では救うこともできなかったはずの小さないのちが救われるようになり、障がいを持つ子どもも増えている。生まれてから一度も外に出ることができず、ずっと病棟で過ごす子どももいる。2017年度、重度の障がいを持つ子どもたちが多く過ごす、長野県立子ども病院の第2病棟に通い、病棟内の療育ARTSを一部デザインした。例えば、ベッド暮らしの子どもたちの視点を考えて、天井や視点が集まる高い位置にモビールを設置したり、鏡代わりのアクリル板を設置して、映る人たちと遊べる工夫や、全体に明るいイメージになるようLEDを仕込んだ。また、呼吸器をつけたまま歩ける子どもたちのために、廊下などの低い位置に、紙でできたマグネットをデザインし、力が弱い子どもでも積み木感覚で自在に形を作って遊べる工夫をした。この病院がある安曇野には、多くの白鳥が飛来する遊水池があり、外の世界を知らないまま生活をしている子どもたちに、渡り鳥の白鳥が世界を旅して、様々な国のことを教えてくれる、というコンセプトとキャラクターを考えた。2018年以降も1年に1度は通い、療育ARTSの更新や子どもたちとのワークショップを持続させている。コロナ 禍の2020年は、ベッドで遊べる玩具をデザインし、1人ずつプレゼントをする企画に変更した。第2病棟の看護師や保育士、そして子どもたちと一緒に、療育ARTSの前進を学生や卒業生と考察し、デザインする。

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