「裂織日常」展

田中邸の歴史と記憶が本展のコンセプトと強く共鳴すると感じています。それはまた、日記を通じて「生活の中から生まれる創造性」をエンパワメントすること、また、出展作家のテーマを通じて「社会の中で見えにくくなっている人々の多様性」を再発見することによって共鳴していくと考えています。現代社会の急速な発展と共に、人々のライフスタイルも環境問題や利便性の向上などによって大きく変化してきました。その一方で、古くからの伝統や価値観もまた同じ社会の中で残り続けています。そうして変化するものと不変的なものとが交錯するところに私たちの日常は織りなされてきましたが、今またコロナ禍によって以前の日常生活はさらに「新しい日常」へと変わっていくのだろう。ではその中で、新陳代謝されていくものとは何ですか?あるいは、ライフスタイルが変わっても求められ続けるものとは何ですか?